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その1 介護保険制度改正に伴う春日部市の事業計画について

●1回目の質問

 介護保険制度は、2000年のスタート以来、今回が2回目の改正となりますが、来年度からの第3期に向けては、今までの改正よりも大幅な見直しが行われております。
 介護保険制度は、「介護を社会で支える」ことを目的として、導入されましたが、その制度の趣旨が広く浸透するにつれ、介護サービスの利用料が毎年伸びており、当初の予測を大幅に上回っております。
 そこで、今後さらに高齢化率が高くなる時代を将来に控え、持続可能な制度にするための見直しが行われたと伺っております。

 今回の改正では、次の5点、
1 予防重視型システムへの転換
2 施設給付の見直し
3 地域ケア等の確立
4 サービスの質の向上
5 負担の在り方・制度運営の見直し
 この5点が、主な内容となっております。
 
 特に、介護保険制度は、
「高齢になっても、介護が必要な状態になっても、それまで暮らしてきた地域で、その人らしく生きられる」 
 そのための制度にすることが、大きな目標の一つとされてきました。
 しかし、その目標と裏腹に、介護保険制度が導入されて以来、在宅介護よりも施設介護偏重の傾向が顕著になったことから、この不均衡を是正するために、ということが、今回の改正の大きな眼目になっております。

 そこで「施設介護利用料と在宅介護利用料の、利用者負担の不均衡を是正する」
として、居住費、食費については介護保険の適用外としました。

 そしてさらに、地域で暮らし続けることを可能にする、在宅介護システムの再構築のために、介護予防とさらにその介護予防の中に、地域支援事業が新たに盛り込まれていると聞いております。
 介護予防はまた、要支援、要介護1といった軽度の要介護状態の方々に対する介護サービスの給付が伸びているのに対して、それが必ずしも要介護度の改善やあるいは重度化することの予防につながっていない、という反省からの検討の結果でもあります。

 このような、第3期の制度改正ではありますけれども、この「在宅介護サービス」の充実に向けて、各自治体にはもう一つ、大きな課題が与えられております。

 いうまでもなく、介護保険制度は、その地域の特性や実態に合わせたものにするために、被保険者であります高齢者のもっとも身近な自治体である市町村が事業主体となる制度となっています。これが介護保険制度は「地方自治の学校」と言われてきたゆえんであると思います
 実際に高齢化が進んでいる市町村、あるいは過疎化が進んで、介護の担い手に限りがある市町村などは、介護保険導入の時点から、介護サービスを確保しながら、できるだけ被保険者の負担を軽減し、ひいては市町村の財政を圧迫しない制度にするために、様々な、独自の工夫を重ねて、介護制度の充実を図ってきていると聞いております。

 しかし残念なことに、春日部市の場合は、その時点の高齢化率11%強と、全国平均よりも、さらに埼玉県平均よりも低かったせいかどうか、前市長は、私が介護保険制度について質問するたびに、
「介護保険のような制度の事業主体が市町村であるというのは困る。本来であれば、国あるいは県が担うべき制度である」
 というふうに議会答弁されてきました。そこに「地方自治の学校」とされました介護保険制度を、必ずしも前向きにとらえてこなかったのか、という介護保険に対する春日部市の姿勢を見る思いがします。

 しかし、ここで、新しい市長が誕生されました。制度導入以来6年たち、国はこの「地方自治の学校である」という、市区町村が主体となって進めてくる制度、この制度がある程度浸透したことを踏まえ、また、さらに「在宅介護サービスの充実」を可能なものにするために、自治体からさらに、「地域」にサービスの主体を移そうとしています。
 自治体を人口1万から2万人の規模で「介護・福祉圏域」を定め、その中で「地域密着型サービス」を充実させていこう、ということが第3期の計画の中に謳われています。
 そのため、今まで特別養護老人ホーム等の施設整備におろされていた補助金を大幅に削減し、「地域福祉・保健プラン」を策定した自治体に交付金を、という財源措置もとられるとの見通しになっております。
 それ故、今後は介護保険制度は「地域主権の学校」になるだろうとも言われています。

 そこで春日部市ですが、残念なことに、今まで介護保険制度を地域で支えていく仕組みづくり、これが十分に行われているとは思えない現状ではありますけれども、しかしながら、制度改正は待ったなしとなっております。すでに来年の4月にその時期が迫っております。
 春日部市としては、今回の介護保険制度改正にどのような事業を計画し、取り組んで行くのか、とくに重要な改正点であると考えられる、次の2点について、お伺いいたします。

 まず第1点、予防重視型システムについておたずねします。
 これについては介護保険制度の中での、サービス提供のシステム、その内容と年次的な計画、それと同時に、春日部市で独自の保険外のサービスを予定しているのであれば、それについてもお伺いいたします。

 第2点、予防重視型システムの中の地域支援事業の要でもあり、また、地域ケア体制の中心でもあります、「地域包括支援センター」について伺います。
 これについては、
@市内に何カ所設置する予定でしょうか。設置個所は、どのように地域分けしていくお考えでしょうか。
Aこの地域包括支援センターは、市が直営で運営するのでしょうか。それとも委託するお考えでしょうか。
B委託する場合、選定の基準はどんな点におくのでしょうか。
 以上、介護保険制度改正に対する、1回目の質問です。

● 中島健康保健部長の答弁
 介護保険制度改正に伴う、春日部市の事業計画についてのご質問にお答えします。
 まず、はじめに、予防型重視システムへの転換策についてお答えします。
 
 今回の介護保険法の改正は、制度の持続可能性の確保、明るく活力ある超高齢社会の構築、社会保障の総合化を基本的視点として、制度全般に就いて見直しが行われたものです。

 予防重視型への転換もその一つであり、その背景といたしましては、要支援や要介護1といった軽度者の大幅な増加や、軽度者に対するサービスが、状態の改善につながっていない、という指摘に対応したものでございます。
 そこで、予防重視型に転換するために、「新予防給付」及び「地域支援事業」を創設して、平成18年度から実施するものでございます。

 まず、「新予防給付」につきましては、介護保険法の基本理念であります自立支援をより徹底する観点から、軽度者に対する保険給付について、現行の対象者の範囲、サービスの内容、マネージメント体制等を見直した、「新予防給付」へと再編を行うものでございます。

「新予防給付」の内容は、現行の要支援の方を要支援1とし、要介護1の改善可能の高い方を要支援2として、既存の訪問介護や通所介護、通所リハビリ等の介護を、生活機能の維持・向上の観点から、内容・提供方法・提供期間等を見直しいたします。

 また新たに運動機能向上・栄養改善・口腔機能の向上等のサービスも導入されるものでございます。

 地域支援事業につきましては、要支援・要介護になるおそれの高い高齢者の方を「特定高齢者」と称しますが、この「特定高齢者」及び一般高齢者に対して、要支援・要介護状態になる前からの介護予防を推進するとともに、地域における包括的、継続的なマネージメント機能を強化する観点から、市町村が実施するものでございます。
 
「地域支援事業」の内容は、まず、介護予防事業として、特定高齢者を把握するためのスクリーニング、いわゆる選び出しを実施し、特定高齢者に対する介護予防サービスの提供を行う事業や、一般高齢者を対象とする介護予防普及啓発事業の実施がございます。

 また、包括的支援事業として、「地域包括支援センター」で行う介護予防マネージメント事業や、総合相談支援事業の実施がございます。

 それに任意事業としまして、成年後見制度利用支援事業や家族介護支援事業などの実施がございます。
 介護保険外のサービスとしましては、現在行っている、健康教育や健康相談、生きがい活動支援通所事業などを考えております。

 介護予防を効果的に推進するためには、生活機能の維持、生活機能低下の早期発見・早期対応、要介護状態の改善、重度予防が大切であると考えております。
 現在第3期事業計画の中で、年次的な計画を立てるべく「高齢者保健福祉計画等推進審議会」において、慎重にご審議いただいているところでございます。
 審議会の答申内容をよく検討して、計画してまいりたいと考えております。

 次に、地域ケア体制の中心となる、地域包括支援センターについてのご質問にお答えします。 

 1点目の包括支援センターの設置箇所数でございますが、厚生労働省が示した、おおむね人口2万〜3万人に一箇所を目安にして、春日部市の人口等を勘案し、8箇所と考えております。

 また、運営方法につきましてでございますが、地域包括支援センターにつきましては、市町村または市町村から委託を受けた事業者が設置することができることとされています。このため、民間において経験ある専門職が活動していること、運営財源の確保や市の財源事情などを総合的に判断して、委託により実施する考えでございます。

 次に委託する場合の基準につきましては、委託を受けることができるものは、介護保険法第115条の40の第1項におきまして、在宅介護支援センターの設置者、その他の厚生労働省令で定めるものに対し、包括的支援事業の実施を委託することができる、と定めております。
 また、地域包括支援センターは、「指定介護予防支援事業」、いわゆる「新予防給付」のケアマネジメントを行うため、法人であることも要件とされております。

 なお、国では、地域包括支援センターの機能を、中立・公正・効率的に遂行する観点から、今後の厚生労働省令で詳細に要件を定めることとしておりますが、既存の社会福祉法人、医療法人などはもとより、地域においてNPO法人や公益法人などが設立され、それらの法人に事業を委託することも可能との考えも示しております。
 市としましては、これらの基準にのっとり、市の実情に即して事業の委託を行ってまいります。 

●2回目の質問
 1回目の質問に対しまして、ごていねいな答弁をいただきましたので、重ねて質問いたします。
 ただ、時間が限られておりますので、絞ってうかがいたいと思います。

 まず介護保険制度の改正に対する点ですが、「包括的地域支援センター」については種々詳しくお伺いしたいところではありますけれども、その中でも、是非お伺いしたところに絞って、うかがいます。

 まず、第1点、設置箇所は8箇所というように先ほどお聞きしました。
確かに、2万人から3万人に1箇所という基準ですと、8箇所でもいいのですが、2万人というところをとりますと12箇所ということになります。

 この包括的支援センター、今後、在宅介護に関して、一人ひとりの実情に応じたきめ細かな対応、それをすることが求められております。
 ですから、担当する人数が多くなると、そのきめ細かな対応という点で、かなり不安がございます。
 是非これ、現在ある「在宅介護支援センター」の設置の場所を基準に8箇所というふうにお考えになったとは思いたくはないのですけれども、先ほどのご答弁の中には、地区分けについてございませんでした。答弁もれになっておりますけれども、例えば、内牧から幸松地区にかけて1箇所とか、春日部駅周辺で一箇所、たとえば東口と西口分断されているそこで1箇所など、日常の生活圏域から考えて、ちょっ8箇所では無理があるのではないかと思います。是非これは再考していただきたいと思います。

 それから第2点ですけれども、この地域包括支援センターの役割ですけれども、先ほど申し上げましたように、一人ひとりの実情に応じたきめ細かいサービス、で、そのサービスでは、予防介護以外のところで、地域密着型サービスというものがまた、新しい制度の中で重要課題になっ ております。
 今回は、一般質問の時間が45分と限られておりますので触れませんでしたけれども、この地域密着型サービスを提供するにあたっても、地域包括支援センターはかなり重要な拠点になるというふうに、その役割を担わされているわけです。

 その地域包括支援センター、事業所におくということになりますと、このきめ細かい対応をするためには、今の介護保険の制度の中では限りがあるということで、厚生労働省もこれからは、在宅介護の支援を充実させるために、地域のボランティアの方々など、様々な地域の人的資源も活用しつつ、という展開を示しています。

 そういったことを考えますと、果たして事業所の中に、包括支援センターをおいたときに、ボランティアさんたちが集える場所が確保できるのか、あるいは元気なお年寄りが集える場が確保できるのか、そういったものが支援センターの中に確保できるのかというと、これはかなりむずかしいものがあると思うんですね。

 で、市長は今回の一般質問に対する答弁の中で、
「福祉サービスは必要なところに必要な支援をすることが求められてはいるんだけれども、その一方で、行政が提供するサービスには公平性も求められている」
 といふうにおっしゃっておられます。確かにそうだと思います。
 しかし、だからこそ、行政では限界があるところにボランティアさんたちが参加してくれる、これが今後の福祉のあり方、というふうに考えられると思うんです。

 で、とくに、今回の介護保険の制度の改正のもう一つのポイントしてあげられていますのが、住みなれた地域で要介護状態になっても住み続けられるように、ということで、今後は特別養護老人ホームなどの施設はついの住処にしない、そういう決意も示されているわけです。
 特別養護老人ホームなどは、やむを得ず一時避難するような場所にしたい、というようなことを考えますと、本当に地域の中で暮らし続ける仕組み作りを、全市を挙げて取り組んでいく必要があると思われます。

 そこで市長にお伺いしたいと思うのですけれども、先ほど子育て支援の「子育て日本一」あるいは「住み続けたい春日部」というところで、縷々、本当に市長のお考えを伺いましたけれども、その中で、最後のまとめのところで、「希薄化したコミュニティを再生すること、これが子育て支援にもなるし、高齢者の方々を支える仕組みづくりにもなるし、あるいはコミュニティビジネスを創成していくためのひとつのきっかけになる」ということで、力強いお考えを伺いました。

 是非、全市的に取り組むというのは無理かも知れませんが、たとえば武里団地、春日部の地域の中では24%以上という高い高齢化率を示しております。この武里団地周辺をモデル地域にして、是非この「地域密着型サービス」を市民の皆さんと協働でつくりあげていく、そのためには牡ランティ、手を挙げたいという市民の方、たくさんいらっしゃいますので、是非、そういう場を設けていただきたい。

 たとえば、本当は旧谷中小学校の跡地、管理棟を売らずに、という市民の皆さんのたくさんの要望がありましたが、残念なことに売られてしまいました。
 ただ、沼端小学校も残っております。沼端小学校派、介護・福祉の拠点にする、という方向性も示されておりますので、是非、沼端小学校などを活用して、「地域コミュニティビジネス」のモデル、コミュニティの創成の事業を展開する場として活用するお考えはないか、これは市長にお伺いしたいと思いますので、是非、明快なご答弁、よろしくお願いいたします。

★ 中島健康保険部長の答弁
まず、「地域包括支援センター」の設置の数でございますけれども、先ほど申し上げましたように、春日部市の人口約24万人でございますが、また、人口の密度、面積、運営財源などを考慮いたしまして、効果的に8箇所というふうに考えたところでございます。ご理解いただきたいと思います。
 なお地域分けにつきましては、今後、「地域包括支援センター運営協議会」で審議していただくことになっております。
 続きまして、「地域包括支援センター」において、地域ボランティアをどのように活用していくのかということでございますが、「地域包括支援センター」の役割の一つとして、「地域の資源や人材を効率的に活用したサービス提供」があげられております。このため、介護サービス事業者、利用者などとの意見交換、交流などや、市内にございます、ボランティアセンターなどと連携をとりながらサービス提供体制の充実を図って参りたいと考えております。
 「地域包括支援センター」につきましては、ご要望の高齢者が集う場所は確保されておりません。高齢者が集い、活動する場所としましては、「薬師沼憩いの家」とか「大池の憩いの家」とかいろいろございますし、地域の公民館などもございます。こういった身近な場所での活用を図っていただければと思っております。

★石川市長の答弁
武里団地の高齢化に向けて、沼端小学校を利用したコミュニティづくりということでご質問いただきました。確かに、武里団地の高齢化は進んでおります。
 高齢者の交流、コミュニティ、ふれあい及び健康づくりのために、ご提案の沼端小学校を活用をすることは、廃校となった学校の今後の利用方針、高齢者施策の推進にも寄与するものと考えております。
 今後の沼端小学校の具体的な活用方針の検討を行う際に、十分、参考にさせていただきたいと思います。

● 3回目・要望
 2分をきりましたので、要望させていただきます。
 ただいま、市長の方から検討させていただくというようなお話でしたけれども、本当に、「住んでよかった、住み続けたいまち」というのは、やはり人と人のつながりにあると思います。
 武里団地に残っていらっしゃる方々、本当に入居したときから、人とのつながりのある方というのは、比較的長く住み続けていると、私も感じています。

 ですから、人と人とをつないでいく、ただ、そのために一番市民が苦労しているのが場、なんです。場所がないんです。
 NPOなんかも活動する場がないということで、是非、市長も市民が主役のまちづくり、ということをおっしゃっていらっしゃいますので、行政がどの部分で支援していくのか、まず、場の提供、そしてそのネットワークをつくっていく仕組みづくり、これをきちんと高齢者の生活を支える、子育て支援、その中で是非努力をしていただきたい、という要望を申し上げて、今回の一般質問を終わらせていただきます。

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