その2 所信表明における市長の現状認識について
●1回目の質問
二つの目の質問です。
今議会の初日に、石川新市長の所信表明演説を伺いました。これに対しましては今まで、たくさんの議員の皆さんから、質問が行われております。
そこで、私は、これまでの皆さんの質問そして市長の答弁のやりとりの中で、疑問に思ったこと、これは、是非、市長にお聞きしたいと感じたことに限って質問させていただきたいと思います。
それは、市政運営に対する基本姿勢の3点目にあげておられる、「春日部市が、日本一子育てしやすいまちといわれるようなまちづくりを目指してまいりたい」という点についてです。
これに対して市長は、今回の選挙戦の中で、多くの方々が「子どもを生み育てることに対する不安」をもっていることを強く感じたから、基本姿勢として挙げたとおっしゃっておられましたが、しかし、選挙中に貼られたポスターには、「300回の座談会を開いた上の結論」とありましたけれども、しかし私は実は、市長選に立候補するのに先立ちましてつくられた、市長の後援会のリーフレットの中に、すでに「日本一 子育てしやすい 街を目指します」と明記されているのを拝見しております。
となりますと、これは石川市長が、市長になると決意されたときから、市政運営の基本的な方向として考えておられたものと思います。
この「日本一子育てしやすい街」を、他の世代の対策よりもまず、優先課題として取り上げられたのは、どんな現状認識からなのでしょうか。その点について、おたずねいたします。
もちろん、私も子育て支援を充実させ、「日本一子育てしやすい街」になることは望ましいことだと考えております。その考えを否定するものではありません。
しかし今、春日部市が抱えていますのは、全国の他の自治体同様、少子化に加えて高齢化の問題です。
市長が「子育て日本一」を目指したところで、高齢者対策がおろそかにされるとは夢にも考えておりませんけれども、この二つの大きな課題の中で、あえて、「子育て日本一を目指す」それはどのような春日部市の現状認識からなのか、それについてお伺いいたします。
また、これに関連しまして、選挙中に市長は、「子育て日本一を目指し、子育て支援を充実させることによって、若い人たちが移り住みたい街・春日部にし、それによって税収増をはかる」とおっしゃっておられたのを聞いております。
しかしながら、それで果たして、それで、税収増がはかられるのでしょうか。はなはだ疑問を感じます。
私は、保育所が充実しているとの理由で、春日部市に転居して来た者の1人です。武里団地ができ、たくさんの若い世代の転入があった時代から引きついで、私と同世代の人たちが、春日部に転入して参りました。しかし、今、高齢化、だんだん進んでおりますけれども、その後はどうだったでしょうか。
子どもたちがある程度成長するに従い、また、収入が上がってきて、経済的なゆとりができるにしたがい、多くの人が、教育環境のよさ、あるいは住環境の条件のよさというものを選択の基準にして、他の市町村に転出してしまっているという現実があるのではないでしょうか。
つまり、税収という面からみますと、若いうちは地価も家賃も安くて、共働きしやすい春日部市に住んでも、ゆとりができ、納税額が多くなる世代は出ていってしまう、いわば通過地点の街になってしまうのではないか、そのような恐れがあるのではないか、と思うのです。
実際に春日部市の人口動態をみますと、平成7年までは、転入が転出を上回っていますが、平成8年から徐々に、転出が転入を上回っており、その比率が毎年微増しております。
また転出者の半数近くが、埼玉県内の他市町村に転出しているというのも、気になるところです。
たとえば、転勤とか、故郷にUターンする、というのであれば、埼玉県以外のとことが多いのかと思って調べましたところ、結構、埼玉県内が多いということです。
また、今、子育て施策の充実で、全国的に有名になっていますのが、東京都の江戸川区です。1人の女性が一生の中で生む子どもの数である合計特殊出生率が1を割っている東京23区の中で、江戸川区唯一、1.3という高い出生率を維持しております。
子育てするなら江戸川区、といわれている江戸川区ですけれども、この江戸川区でさえも、、子育て後の世代の定住のために今苦労し、さまざまな施策を模索しているというお話を、視察研修いたしました折に伺いました。
市長はまた、「子育て日本一」を目指しながらも、「住み続けたい、住んで良かったと思える春日部市」という目標になさっておられますけれども、この二つの施策をどのようにリンクさせて、充実させていこうと考えていらっしゃるのか、これは市長の認識、そして市長のお考えですので、是非、市長の言葉でご答弁いただきたい、そう要望いたしまして、1回目の質問を終わります。
● 石川市長の答弁
これまで、春日部市においては、地域における子育て支援体制の充実をはかるため、児童センターの整備やファミリーサポートセンターの設置など、さまざまな子育て支援を進めて参りました。
しかし、合計特殊出生率や出生数の低下に伴う少子化の進行、子どもを取り巻く社会環境の変化を踏まえると、住民のサービスニーズの変化に伴う、新たな子育ての支援の課題への対応が必要であると感じております。
現在の子育ての支援環境は、子どもを取り巻く環境、地域における環境、家庭における環境、行政における環境の4つが考えられます。
この4つの環境の課題は、仕事と子育ての両立、子育てのネットワークづくり、子どもの居場所づくり、情報提供の拡充など、多岐にわたるものであり、実際に私自身が300回を超える座談会の中で、強く感じた部分でもあります。
これらの課題を認識した上で、子どもを産み、育てることに対する不安を少しでも解消できるよう、保育所の整備や保育所の待機児童を解消するなど、保育サービスの向上や、児童手当制度や乳幼児医療費助成制度など、経済的支援の拡充をはかるほか、これまで以上に積極的な子育て支援情報を提供するなど、ソフト、ハード、両面にわたる子育て支援をより一層充実させることで、日本一子育てしやすい街を目指して参りたいと考えております。
次に、少子化に加えて高齢化も進んでいるという現況の中、子育て日本一を目指すことについて答弁いたします。
少子化の与える影響としては、労働人口の減少と経済成長への影響、国民の生活水準への影響が懸念されるなど、経済面での影響が考えられるほか、単身者や子どものいない世帯が増加することで、家族の形態が変化するとともに、子どもの数の減少とともに、子ども同士の機会の減少など、子どもや家庭にもたらす影響が懸念されます。
また、人口の減少と高齢化の進行に伴い、介護保険や医療保険制度の運営にも支障を来すことも考えられ、住民に対する基礎的サービスの提供が困難になるなど、社会面への影響も懸念されております。
少子化が急速に進む我が国では、人口減少への対応が重要であり、このような意味においては、今後少子化の流れがどのように変わり、どう反転していくかは、これからの少子化に対する取り組みや、市民の意識、行動にかかっているといっても過言ではないと思われます。
平成12年からの5年間は、人口減少に転じる我が国の人口の転換期ではありますが、一方で、第2次ベビーブーム世代を中心に、20代後半から30代前半までの人口数が多い時期であり、出生数や出生率の回復にとって、重要な時期であるといわれています。
この年齢層の人口は、平成22年度以降減少していく見込みから、この2次ベビーブーム世代を中心に、安心して子どもを産み、育て、子育てに喜びを感じることができるように、あるいは、子どもの出生や子育てにメリットがあると認識できる施策を積極的に展開することが重要であると考えております。
このような意味において、子育て日本一を目指す、ということは高齢化対策にも平行して進めるとともに、現在の少子化の流れを変えるため、さまざまな少子化対策を図る必要があると認識しているところでございます。
続きまして、私の所信を表明させていただいた中に、「住み続けたくなるふるさと春日部の実現」というくだりがございます。
春日部市は49才以下の人口が59.3%を占めており、比較的若い層の多い都市であるということがいえるかと思います。
従いまして、春日部市で子育てを終えた方々が、春日部は住みにくいからといって、春日部市からほかに転出してしまう、ということのないように、魅力ある春日部を目指すための基本姿勢を示させていたいただきたいところでございます。
基本姿勢のうち、
「行政には信頼を」
「生活環境には安心、安全を重視すること」
に関しては、特に、住みやすさ、住み続けたくなる意欲というものを市民の皆さんに持っていただけるよう、市民に安心していただける、また、安全な暮らしというものに重点をおいた市政運営に努めて参りたいと思っております。
内閣府では、平成16年6月に、「安全・安心に関する特別世論調査」を実施しております。この結果によりますと、「今の日本は安全・安心な国か」という問いに、「そう思う」という答えが39%であるのに対し、「そうは思わない」という答えが55.9%に上っております。
「そう思う」と答えた理由の中では、
「社会秩序の安定」
「テロや国際紛争に巻き込まれず、平和である」
ということが上位2点になっており、一方「そうは思わない」という理由では、
「少年非行、引きこもり、自殺などの社会問題の多発」
「犯罪が多いなど治安の悪化」
が上位2点を占めております。
また、人間関係に関しても、「むずかしくなった」という答えが63.9%、「むずかしくなったとは感じない」という答えが28.8%となっております。
人間関係がむずかしくなった原因として、
「人々のモラル低下」
「地域のつながりの希薄化」
が上位2点となっており、地域コミュニティの希薄化が社会的に不安材料となっていることが伺われます。
また、「安全や安心にとって懸念されること」では、
「情緒不安定など、すぐキレル人の増加」
「少年少女の非行、深夜徘徊の増加」
が上位に挙げられます。
こうした調査結果からも分かるように、春日部市も決して全国的な社会不安状況の例外とはなっていないということでございます。
とくに最近では、子供たちに対する凶悪犯罪の多発で、子どもを持つ保護者の皆さんの不安も大変高まっています。こうした犯罪防止に対して、防犯機器の設置など、行政としても努めてまいりますが、この希薄化した地域のコミュニティの再生こそ、行政が市民の皆さんと協働する対象にほかならないのではないかと、私は考えております。
春日部市は確かに、東京通勤圏ではありますが、「寝に帰ってくるだけの街」という認識を、「春日部を楽しむ」という前向きの考え方に変えていかないと、市民参加のまちづくりはなかなか進みません。
多くの市民の皆さんのご意見をお聞きいたしますと、それぞれ行政に対する、大変高い意識をお持ちです。個々、人それぞれは多種多様な要望、提言をお持ちですが、その中で一定の方向性に集約できるものが、いくつも見いだせるのではないかと感じております。
そうした市民の皆さんの総意をくみ上げていけば、私は、先の基本姿勢にある、「安全・安心を重視」というものの施策への反映のヒントが生まれてくるものと思っております。
当面は、子どもたちが事件に巻き込まれたり、虐待されたりすることのないように、また、市民が安心して夜道を歩けるようなことから始めていきたいと考えております。
これから先、団塊の世代の皆さんが地域に帰って参ります。そうした方たちを含め、市民の皆さんのご意見をお伺いしながら、春日部を「ご近所の底力」のある街に皆さんと共に育てていかなければならないと考えております。
そういう地域の温かみというものが地域コミュニティを生み、ひいては、地域の犯罪抑止力を強化するものと信じて、各種施策に反映して参りたいものと考えております。
具体的には、コミュニティビジネスの起業に対する支援等を通じ、地域コミュニティの再生を図るなどを進めて参りたいと考えております。
それが一面では、新たな産業面における活性化から、商都復活につながるように進めていくことができればと考えております。
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