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●2006年12月議会一般質問
ーその3ー公共施設の耐震化について

★ 1回目の質問

 
いわゆる耐震強度偽造マンション問題が発覚したのは、今からちょうど1年ほど前のことになります。
 そのとき、構造計算書を改ざんした物件の耐震指標が、耐震性が確保されているとされる基準の最小Is値の0.6を下回っていたことから、事件となるとともに大きな社会問題に発展したことは、まだ記憶に新しいところです。

 さて、この耐震指標がクローズアップされたのは、今から11年近く前に起こりました阪神・淡路大震災を教訓に、1995年の暮れ、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が制定されたことからです。

 この法律によりますと、「新耐震基準」に即して、建築物に対して積極的に「耐震診断」を行い、耐震基準を満たさない建築物の改修を進めることとされています。

 阪神・淡路大震災の被害を検証した結果、亡くなられた方のうち、震災直後に亡くなった5502人のうち、83.6%の方が家屋か家具の下敷きになって亡くなられているとのことです。
 また、12.6%の方が火災によって亡くなられているとのことですが、このうち、家屋や家具の下敷きになって逃げられず命を落とされた方が大半を占めるのではないかと言われています。
 そうすると、亡くなられた方の大半、が家屋の倒壊や転倒した家具の下敷きになっているとされています。

 このことから、地震の被害をもっとも最小限にするためには、建築物の倒壊と、家具の転倒を防止することにあるという結論が導かれています。

 そこで今回は改めて、春日部市の公共施設の耐震性について伺いたいのですが、現在に至るまで、耐震診断を行っている公共施設は、学校施設のみであるとお聞きしております。

 そこで、耐震性能調査の結果を伺いました。すると、驚いたことに、調査をした市内の学校57棟のうち、もっとも耐震指標である最小Is値が低い校舎の0.06、を筆頭に、0.1〜0.19が14棟、0.2〜0.29が17棟、と、ちょっと気の遠くなるような数値が並んでいます。
 全57棟の平均値が0.34とのことです。

 すでに、公共施設も含めて、すべての建築物に対して耐震改修を行うように、という法律が施行されて10年が過ぎています。しかし、春日部市では、このような状態です。

 そこで、この結果を踏まえて、耐震性が確保されていないと診断された学校については、年次的に大規模補強を進めていますけれども、来年度以降、どのようにこの補強工事が予定され、どのくらいの予算を見込んでいるのか、改めて伺います。

★斎木学校教育部長の答弁
 
 学校施設の耐震診断につきましてお答えいたします。

 本市の場合、対象となる学校施設数が多いことから、校舎については第一次診断法を採用し、体育館につきましては、耐震化優先度調査の実施をいたしました。

 第一次診断法により算定した構造耐震指標Is値が0.8以上の場合は当該建物の耐震に関する安全性を確認できますが、これを下回る場合には第二次診断法を実施するものでございます。

 第二次診断法は、第一次診断法に加えまして、柱、壁の鉄筋量やコンクリートの圧縮強度などから建物の強さと粘りを推定する方法でございます。
 国の交付金を受けるためには、この第二次診断が必要条件となっております。

 ご指摘のIs値でございますが、耐震診断基準では、第二次診断法で出たIs値が0.6未満であれば、構造体としての耐震性は疑問ありとされますが、これがただちに構造体の崩壊、大破を意味するものではないというふうに解釈をされています。

 被害は、あるIs値を境にそれよりも低い建物全てに確定的に生じるものではなく、Is値が低くなるにしたがって、被害を受ける可能性が高くなりますが、これは地盤、地震動が場所によって異なる、また材料強度や施工程度にばらつきがあることなどが考えられ、第二次、第三次診断でその数値は多少の異動が生じるものと思われます。

 ご質問の補強工事の予定でございますが、現在、耐震診断の結果や施設の劣化状況などを総合的に判断しながら、耐震補強工事を行なうための優先順位を検討しているところでございます。

 また予算の見込みについてでございますが、現在、ちょうど来年度の予算要求の時期でございますので、財政状況などを考慮しながら施設整備計画をたて、耐震補強工事等で整備を行なっていきたいというふうに考えております。

★2回目の質問

 
ご先ほどの3点目ですが、耐震の問題です。
 部長がおっしゃいましたように第一次診断だけでは判断できませんで、第二次診断、あるいは第三次診断というものできちんと診断していくことが必要だということは理解しております。

 しかしながら、公共施設の場合には第一次診断であっても、公共施設というのは大地震が起った際、大規模な補修をしなくてもすぐに使える状態であることが定められていますし、まして学校施設の場合、児童の安全ということを考えると一般の建築物よりも、より強度や耐震度が求められていることから、庁舎の場合には耐震基準の重要度係数1.5倍を掛けて耐震指標が第一次診断で私は0.9以上であることが求められているというふうに理解してきました。
 学校の場合は重要度係数1.25倍ですから耐震指標は0.6よりもさらに高い0.75以上であることが要求されているというふうに私は理解しています。

 そうすると現在の公共施設のうち第一次診断を実施した校舎の中で、現在確認されている建物では、耐震基準を満たしているものはわずか2校のみということになってしまうと思います。
 ほとんどの学校でなんらかの耐震補強が必要となると考えられます。

 この耐震補強する前に第二次診断をするにしても、それはかなりの額の経費が必要というふうにお聞きしています。
 そうすると、このまま数年に1校ずつ耐震補強工事を行なっていくというペースで良いとは私はとても考えられないと思います。
 関東地方に大地震が起るのは、どんなに遠くても30年以内ではないかという予測も示されています。

 そこで、ここで提案させていただきたいのですが、現在非常に安価で手軽にできる技術としてSRF工法というのが注目されています。

 これは1999年に発表されました。
 簡単にいうと粘着剤のようなもので柱や壁を補強することによって、急激でかつ激しい揺れから建築物を守る第4の補強工事というふうに言われているものです。 
 阪神淡路大震災の教訓から、JR東海が全駅舎をこのSRF工法で耐震補強しました。それからにわかに脚光をあびているものです。

 駅舎だけではなく、今までの施工例を見ますと、大きなビルや学校、集合住宅、そして総合病院などで行なわれていますし、前橋市などの市庁舎でも採用されています。

 費用が場合によっては、従来の大規模改修の10分の1程度で済む場合もある、ということもさることながら、非常に簡単な工法なので休日などの工事でも可能であるということ、また技術を習得した業者であれば、市内の小規模な工務店でも可能であるということなど、利点はたくさん考えられます。  

 となると、1校分の工事費もしくは第二次診断に掛かる費用、その費用で数校の補強工事ができるかもしれません。

 またすぐに建て替えの出来ない病院西棟の補強工事あるいは庁舎の補強というのも可能かも知れません。

 耐震ネットなどの見解によりますと、一次診断が0.3以下の場合、たとえ大規模な耐震補強を行なっても、安全性が確保されるかどうか疑問がもたれる、また建築物の経年劣化など合わせて考えるとむしろ建て替えが望ましいとされています。
 実際に学校施設の耐震診断の結果を見ても、大規模改修工事を行なった5校8棟の校舎の中で、最小Is値0.3から0.4ほどにしか上っていないという結果が出ていると思います。

 その点を考えてもすぐに建て替えがむずかしい現在の財政状況の中で、市民の皆さんの安心安全のために、是非この補強工事を検討されてはいかがでしょうか。

 すでに採用している自治体の例を研究し、SRF工法による耐震補強を検討していただきたいと考えますけれども、その見解をお示しいただきたいと思います。

 またこれは市長の政策判断に関ることですので、市長からもご答弁お願いいたします。

★斎木学校教育部長の答弁

 
議員のご提案のSRF工法につきまして、耐震補強工事としての有効性や施工時間の短縮なども考えられ、耐震性能の判断基準であるIs値を高めることが可能であれば、当然のことながら耐震化の安全が確保できますので、庁舎や病院も含めた公共施設について、今後調査研究してまいりたいと思っています。

★石川市長の答弁

 
公共施設の耐震化についてお答え申し上げます。

 庁舎などをはじめ、各公共施設は安心安全な施設でなければなりません。 

 担当部長が答弁しましたが、耐震補強にはいろいろと課題もあり、その施設を使用しながら限られた時間内で改修ができることが市民サービスにとって一番良いと考えております。

 また今後、耐震補強等の工事につきましては、その施工に適した議員ご提案のSRF工法も含め最善の方法を検討して参りたいと考えております


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